最低価格と最高価格

Floor/Ceiling (最低価格と最高価格) モデルは、取引セッション中に限月の価格を維持しようと試みる取引操作のパターンを検出します。このパターンは、限月価格が安値で取引される試み (価格の「床」を作ること)、または高値で取引される試み (価格の「天井」を作ること) を防ごうとする試みを反映しています。

価格が特定の価格帯を通過しないようにするため、トレーダーは、特定の価格帯で市場の片側 (買/売) に1つまたは複数の注文を発注できます。これらの注文には、その限月の通常の取引枚数に比べて、相当な取引枚数が含まれます。これにより、市場がその価格を超えて動く可能性が低くなります。

この手法は、特定の限月で利益を得ることはできませんが、この限月の価格につながる別のポジションに関連している可能性があります。

スコアの方法

トレーダーが最高価格や最低価格を作る潜在性を検出するため、TT Score では取引期間中に以下のデータを分析します。

• 取引セッション中の限月の安値と高値
• 高値または安値で取引されたセッション出来高のパーセント数と市場総出来高。
• 高値や安値の価格帯でのトレーダーの出来高
• 高値または安値での出来高に対するトレーダーのパーセント数
• 高値や安値の価格帯でのトレーダーの市場出来高のパーセント数
• 高値や安値の価格帯でのトレーダーのパッシブ取引のパーセント数

スコアの解釈

クラスタに割り当てられたスコアは、加重計算を使った 0～100 のスライド スケールに基づいています。75 とそれ以上のスコアは、疑わしい取引操作が発生したことを示しています。

TT Score の最良実例に基づいて、75以上を記録するクラスらは「高リスク」とみなされ、コンプライアンス レビューの際に重要な焦点を置く必要があります。

スコアカード メトリックス

最低価格と最高価格 (Floor/Ceiling) クラスタ スコアカードには、取引セッション中に価格の意図的操作が発生したかどうかを決定するのに役立つメトリックが含まれています。

以下のメトリックスが提供されています。

• Session High: 取引セッション中の限月の高値。
• Session Low: 取引セッション中の限月の安値。
• Trdr Ssn Vol: セッションのトレーダー操作の出来高。
• Trdr Ssn High Vol: セッションの限月の高値に一致するトレーダーの操作の出来高。
• Trdr Ssn Low Vol: セッションの限月の安値に一致するトレーダーの操作の出来高。
• Mkt Session Vol: セッションの合計取引枚数。
• Trdr Ask Vol Pct Vs Trdr Ssn Vol: セッションのトレーダーの合計取引枚数と比較した売出来高のパーセント数。
• Trdr Vol Vs Mkt Vol: 市場の総出来高に対するトレーダーの出来高のパーセント数。
• Trdr Pct High Vol Vs Mkt Vol: 市場全体の出来高に対して、セッションの限月の高値に一致する、トレーダー操作の出来高パーセント数。
• Trdr Pct High Vol Vs Trdr Ssn Vol: トレーダーのセッションの総出来高に対して、セッションの限月の高値に一致する、トレーダー操作の出来高パーセント数。
• Trdr Pct Agg Vs Ssn Fill: セッション約定に対する、トレーダーのアグレッシブ注文のパーセント数。
• Trdr High Fill Vs VAP High: 同じ価格帯での VAP (Volume-at-price) に対して、セッションの限月の高値に一致するトレーダー操作の出来高。
• VAP High Prc: 限月の高値に一致する出来高のパーセント数。
• Trd Cnt High Prc: トレーダーによる高値/安値での部分約定または完全約定の枚数。

最低価格と最高価格の識別

スコアカード メトリックスに加え、最低価格と最高価格 (Floor/Ceiling ) チャートとシステム履歴を利用して、疑わしい取引操作の識別に役立ていることができます。以下の画像には、最低価格/最高価格の取引クラスタを調査した結果が示されています。

TT Score で最低価格/最高価格 (Floor/Ceiling) クラスタを調査する際、以下のような意図的な価格操作の可能性を確認してください。

1. トレーダーの売/買の出来高割合と、高値/安値の出来高割合をセッション出来高と比較します。
2. チャートで、セッションの高値/安値と一致する市場の片側 (買/売) の取引枚数が多いかどうか確認します。
3. システム履歴で、取引がその限月の高値/安値で発生したかどうかを確認します。