TT Score

クラスタ ビューを使ったクラスタの確認

クラスタ ビューを使ったクラスタの確認

問題のある取引操作でクラスタを確認する方法は、各タイプによりそれぞれ異なります。

スプーフィング

[Cluster Scorecard] (クラスタ スコアカード) を使って、スプーフィング スコアをトリガーする操作を詳しく調べることができます。スコアカードの下部にあるチャートでは、スプーフィング パターンについての視覚的な手がかりを確認できます。例えば、高いスプーフィング スコアが示されたクラスタの以下のスコアカードにあるチャートでは、フリッピング パターンの潜在性を示しています。

例では以下の内容が表示されています。

  1. トレーダーは買側に出来高を増加させ、買側の圧力の外見を作ります。
  2. トレーダーは、即時に約定する少量の売注文を追加します。
  3. そしてトレーダーはすべての残りの買注文を取り消します。

チャートには、一定期間の注文出来高に基づいた操作が表示されますが、注文の価格や流動性は表示されません。潜在的なスプーフィング注文の価格を見ると、他のトレーダーをだますために、あるトレーダーがマーケットからかなり離れて注文を発注しているかどうかを確認できます。

[Cluster Scorecard] から、[Market Replay] をクリックすると、さまざまな価格帯で注文がマーケットと相互作用する様子を確認できます。

マーケット リプレイには以下の内容が表示されています。

  1. 潜在的なスプーフィング操作がみられる際、価格板情報に、マーケットの価格と流動性が表示されます。
  2. 垂直線は、マーケット リプレイ中の時間の一点を識別します。
  3. マーケット リプレイ中に、特定の時間の前後に発生した注文と約定。

乱用メッセージ

[Cluster Scorecard] (クラスタ スコアカード) を使って、乱用メッセージ スコアをトリガーする操作を詳しく調べることができます。スコアカードのクラスタ統計 (Cluster Statistics) とスコアカード メトリックス (Scorecard Metrics) セクションでは、以下の内容が表示されます。

  • クラスタの所要時間
  • 送信されたメッセージ数
  • 異なったメッセージ率のパーセント数

スコアカードの下部にあるチャートでは、乱用メッセージ パターンについての視覚的な手がかりを確認できます。例えば、以下のスコアカードのチャートは、短期間の間に高い率のメッセージの高いパーセント数をもつクラスタを示しています。

  1. わずか 5x1/1000 秒の間で、トレーダーが 25 以上のメッセージを送信し、これらの 100% は高い率で送信されたと見なします。
  2. 計量器は、このクラスタのリスクが100であることを示しています。
  3. トレーダーは繰り返し同じタイプの注文を発注しました。
  4. 取引所の時間は、メッセージがマイクロ秒の間隔で送信されたことを示しています。
  5. バースト チャートは、最初の 6/10 秒に、トレーダーが1秒毎に約 5,000 のメッセージの率でメッセージを送信したことを示しています。

ウォッシュ トレード

[Cluster Scorecard] (クラスタ スコアカード) を使って、ウォッシュ トレード スコアをトリガーした操作を詳しく調べることができます。[Cluster Scorecard] には、ウォッシュ トレードの構成要因になる操作が表示されます。

  1. 約定は同じ注文枚数の反対側のマーケットで執行されました。
  2. 同じミリ秒間に、2つの取引が執行されました。
  3. 2つの取引は、同じトレーダーID で執行されました。

モメンタム イグニッション

TT Score でモメンタム イグニッション クラスタを調査する際、以下の内容に注目する必要があります。

  • アグレッシブ注文で使用された明確な価格帯の数。
  • アグレッシブ注文で約定した枚数。
  • 反対側の注文や利食いの注文で約定した枚数。

例えば [Igniter Price Levels] と [Ignites (Vol)] メトリックで大規模の値が示されていると、これはトレーダーが、特定の方向 (買または売) で価格の動きをイグナイトさせ、市場参加者を誤解させたり人為的な価格を作成するよう試みていたことが示されています。The Opp.[Side (Vol)] は、トレーダーがイグナイター注文の反対の注文で有利な約定を受信したかどうかをよく示しています。というのはトレーダーは意図的または無謀に価格の動きを閃光させずには約定を受信しなかったでしょう。

[Statistics Scorecard] の注文のシステム履歴データは、潜在的なモメンタム イグニッションの操作として識別された注文情報のすべてや操作のタイミングを確認するのに使用されます。

操作は、[Cluster Scorecard] のマーケット リプレイでもまた再生できます。

ピニング

[Cluster Scorecard] (クラスタ スコアカード) を使って、ピニング スコアをトリガーした操作を詳しく調べることができます。

  • 様々な価格帯での一連の小規模の新規注文が作成され、即時に取消イベントが続いた状況をシステム履歴で確認します。
  • 発注後すぐに小規模の注文が約定しはじめたトレーダーの動作の変化を観察します。特に、小規模の注文が約定してすぐに、マーケットの反対側でアグレッシブに価格が設定された大規模の注文が発注された場合を注目してください。過剰に市場性の高い指値注文や成行注文の利用は、アグレッシブ注文を暗示しています。
  • システム履歴にて、アグレッシブ注文が約定して、最初の小規模の注文が発注されたマーケットと同じ側で大規模の注文が続いた場合をシステム履歴で観察してください。
  • 最後の大規模の注文の約定価格と、最後の小規模のピニング注文の約定価格を比較してください。最後の大規模の注文が元の小規模のピニング注文よりも良い価格で約定している場合、乱用的なピニングが発生していた可能性があります。