TT 注文タイプ

TT 注文タイプの概要

TT 注文タイプの概要

TT 注文タイプとは

TT 注文タイプとは、市場の他の注文の執行と発注を管理する、合成注文のことを示します。TT 注文タイプは、取引所が固有サポートしているタイプよりも、強力な注文執行機能を提供しています。ここでは取引所によりサポートされていない注文タイプを提供していたり、取引所が提供する固有の注文タイプよりもより多くのオプションを提供しています。TT 注文 タイプでは以下の機能を提供しています。

  • 大規模の注文を小規模の注文枚数にスライス切り
  • 特定の市況に対応した注文の発注
  • 特定の時間で注文を開始・終了するように予定を作成
  • 良好な市況に基づいて注文の価格を再設定

TT 注文タイプの注文は2つの部分で作成されています。

  • 限月が取引されている取引所と共同設置されている Algo Server で実行される合成親注文。親注文は子注文の発注と執行を管理します。
  • 選択した TT 注文タイプと設定パラメータに基づいて、注文執行のために取引所に送信されるネイティブ子注文。

利用可能な TT 注文タイプ

以下の表には、TT プラットフォームで利用可能なすべての注文タイプを表示しています。ただし、TT User Setup のユーザー 口座アクセス許可により、発注ウィジェットに表示された実際の注文タイプが決定されます。

TT 注文タイプ 説明

スタンダード ライセンスで利用可能

TT ブラケット注文 執行時に OCO 注文をトリガーする、指値注文またはストップ注文を送信します。
TT アイスバーグ注文 大規模の枚数を小規模の公開枚数に分割して執行し、全枚定するまで少しずつ発注します。次の子注文は、現在の子注文が完全に約定してから発注されます。
TT イフタッチ注文 市場が現在の市況より良好な特定の価格に到達したり、特定の価格を抜けた場合にトリガーされる注文を示します。
TT OCO 注文 市場の同じ側の異なった価格帯で同じ枚数の2つの注文を発注します。いずれかが約定すると残りは取り消されます。
TT 再試行注文 取引所に受理されるまで、または特定の回数分拒否されるまで、子注文を発注し続けます。
TT ストップ注文 市場が現在の市況より悪条件な価格に到達したり、その特定の価格を抜けた場合にトリガーされる注文を示します。
TT 時間制限注文 (Time Duration) 一定の期間に大規模の注文を約定待ちして、合計時間に基づいて一定の間隔で小規模の注文部分を発注し、目標の合計枚数を達成することを試みます。
TT 時間加重平均価格 (TWAP) 他の市場参加者による注文出来高の動きへの注意を集めずに、トレーダーが執行平均市場価格にできるだけ近くに取引価格を保っておきたい場合に使用できます。
TT 時間切り注文 (Time Sliced) 大規模の注文を小規模の公開注文にスライスし、一定の時間間隔で発注します。
TT 時限注文 (Timed) 特定の時間に注文を発注し、特定の時間に達するまで注文を約定待ちしつづけます。
TT トレイリング リミット注文 市場から特定のティック数分はなれた価格で取引所に注文を発注します。
TT 時間加重平均価格 (TWAP) 大規模の注文を小規模の公開注文に分割し、一定の時間間隔で発注することで、他の市場参加者に注文枚数を知らせることなく、約定価格を平均市場価格にできるだけ近くに保持します。
TT 出来高制限注文 (Volume Duration) 合計注文枚数を達成するのに必要な取引枚数の合計に基づいて注文を発注します。
TT 出来高切り注文 (Volume Sliced) 取引枚数に基づいて、大規模の注文を小規模の公開注文に分割します。
TT ウィズ ア ティック注文 反対のインサイド マーケットの価格と枚数に基づいて、自動的に1ティック市場に近づいて価格を再設定する指値注文を発注します。
TT Autohedger 約定済みのオプション アウトライトやスプレッド注文及びストラテジー注文の現物ヘッジ注文を自動的に発注します。
TT OBV 注文 希望のボラティリティに基づいてオプション限月の注文を発注します。
TT スナイパー (OTA) TT Sniper (スナイパー) は、市場の反対側で特定の価格で枚数が取引可能になるまで、買発注や売発注の意図を隠すことができる、注文チケット アルゴ (OTA) のことを示します。

TT Pro ライセンスで利用可能

: TT Pro ライセンス により、TT の一連の自動スプレッド取引ツールや TT のアルゴリズム取引ツール、さらに以下の注文タイプを利用できるようになります。

TT マルチレベル ブラケット (OTA) TT マルチレベル ブラケット注文は限月でポジションを取得し、1つ以上の価格でエグジットできる注文チケット アルゴ (OTA) です。
BrackeTT (OTA) BrackeTT は、TT ブラケット注文タイプの最も単純な OTA (注文チケット アルゴ) です。BrackeTT を起動すると、指値注文を発注し、注文が約定すると、OCO (one-cancels-other) 注文のロジックを統合する追加の注文を発注します。
OCO (OMA) OCO OMA アルゴを使って、[Order Book] で2つ以上の約定待ち注文を採用できて、OCO (Order Cancels Order) OMA (Order Management Algo) をそれらの注文に適用できる機能を提供しています。1つの注文が完全約定すると、他の注文は取り消されます。1つの注文で部分約定が発生すると、他の注文の枚数はそれに応じて減少されます。
OCO 2 (OMA) OCO 2 OMA を使って、2つの注文を選択して、それらの注文に OCO OMA を適用できる機能を提供しています。1つの注文が完全約定すると、もう1つの注文は取り消されます。1つの注文が部分約定すると、もう1つの注文枚数はそれに応じて減少します。
条件付き (OMA) ある1つの注文を、2つ目の注文 (条件付き注文) の約定待ちのためのトリガー条件 (主要注文) として設定できます。主要注文は即時に市場に発注されますが、2番目の注文は保留とされます。主要注文が約定を受信すると、条件付き注文が市場に発注されます。
MinVol (OMA) MinVol OMA は、取引所注文に取り組む価格帯で必須の最小枚数を指定できる、注文管理アルゴ (OMA) です。出来高が最小枚数以下になると、アルゴは注文を取り消します。出来高が必須の枚数に再び到達すると、アルゴは注文を再送信します。アルゴが取引所注文を発注する最大回数も指定できます。
ウィズ ア ティック (OMA) ウィズ ア ティック OMA では、[Order Book] (注文一覧) や [Floating Order Book] (簡易注文一覧) ウィジェットのいずれかを使って約定待ち注文にウィズ ア ティック (WAT) ロジックを適用できます。WAT は、反対のインサイド マーケットの価格と枚数に基づいて、自動的に1ティック市場に近づいて価格を再設定します。
ダイレクト エントリ (MMA) ダイレクト エントリ (Direct Entry) は マーケット・メーク アルゴの種類の1つです。ダイレクト エントリ注文タイプは、[Bid Prc] と [Ask Prc] 入力で提供されるダイレクト価格に基づいてクォート注文を発注します。約定待ち注文は提供された買値または売値への変更に基づいて、自動的に再価格設定されます。
シングル理論値 (MMA) Single Theo (シングル理論値) は マーケット・メーク アルゴの種類の1つです。シングル理論値注文タイプは、シングル理論値 (Theo Price) からユーザー定義のティック数のクォート注文を発注します (買オフセット と 売オフセット)。約定待ち注文は提供された理論値またはオフセットへの変更に基づいて、自動的に再価格設定されます。
買・売理論値 (MMA) Bid/Ask Theo (買売理論値) は マーケット・メーク アルゴの種類の1つです。シングル理論値注文タイプは、理論値買値・売値 (Theo Bid と Theo Ask) からユーザー定義のティック数のクォート注文を発注します (買オフセット と 売オフセット)。約定待ち注文は提供された理論値またはオフセットへの変更に基づいて、自動的に再価格設定されます。
マーケット ベース (MMA) マーケット ベース (Market Base) 注文タイプは マーケット・メーク アルゴの種類の1つです。マーケット ベース注文タイプは、クォート限月の現在のインサイド マーケットからユーザー定義のティック数のクォート注文を発注します (買オフセット と 売オフセット)。約定待ち注文はオフセットへの変更やマーケットの動きに基づいて、自動的に再価格設定されます。
リファレンス ベース (MMA) リファレンス ベース (Reference Base) 注文タイプは マーケット・メーク アルゴの種類の1つです。マーケット ベース注文タイプは、参照限月 (Ref Instrument) の現在のインサイド マーケットからユーザー定義のティック数のクォート注文を発注します (買オフセット と 売オフセット)。約定待ち注文はオフセットへの変更や参照マーケットの動きに基づいて、自動的に再価格設定されます。

TT 注文タイプの注文ライフサイクル

TT 注文タイプの基本的なライフサイクルは以下のとおりです。

  1. 注文を作成する際、TT 注文タイプがウィジェット内で選択され、パラメータ値は注文タイプのフライアウト中に指定されます。
  2. TT 注文タイプは TT プラットフォームから発注されます。
  3. 取引所内に共同設置されている Algo Server で、TT 注文タイプに対し合成親注文が作成されます。
  4. 合成親注文は、特定の TT 注文タイプにより指示され、市場に子注文を発注します。

    [注文一覧] (Order Book) にて、親合成注文が表示され、次に親が発注した子注文が表示されます。この例では、[注文一覧] (Order Book) に親 TT 時間切り (Time Sliced) 注文と、管理している場合は取引所固有の子注文が表示されます。

    • A: TT 時間切り注文合成親注文。[Exch] 列には [CME*] と表示されます。これは CME 取引所と隣接する Algo Server で親注文が実行されていることを示しています。
    • B: TT 時間切り合成親注文により管理されている子注文と、また各子注文の注文タイプとステータス。
    • C: 親注文の タイプ は指定した TT 注文タイプの名前と一致します。
    • D: 既定で、TT 注文タイプの親は TIF=GTC と一緒に送信されます。
  5. 子注文の約定が受信されると、親注文は約定待ち枚数と約定済み枚数を更新します。

  6. また MD Trader や [Audit Trail] (システム履歴) などの TT の発注ウィジェットと注文管理ウィジェットに、約定の確認が再び送信されます。

    • A. 親注文約定
    • B. 子注文約定
    : 約定すると、合成親約定はネイティブ子注文約定に対して記録されます。
  7. 全ての子注文が約定待ちを終えた際、親 TT 注文タイプ注文は完全に約定され、Algo Server から除去されます。

TT 注文タイプへのアクセス

TT 注文タイプにアクセスするには2つの方法があり、[MD Trader] または [Order Ticket] (注文チケット) ウィジェットの [Order Type] (注文タイプ) ドロップダウンから TT 注文タイプを選択します。

TT 注文タイプ注文の設定

各 TT 注文タイプには、注文タイプとして選択した際に関連パラメータと一緒にフライアウトが表示されます。希望のパラメータ値を入力することも、また再利用可能なテンプレートとしてこれらを保存することもできます。

TT 注文タイプ パラメータ

[Order Ticket] を使う際に、パラメータは組み込みパネルに表示されます。TT 注文タイプに基づいて、パネルには追加のパラメータのためのタブが含まれている場合があります。例えば、以下には TT Bracket 注文タイプのフライアウト ダイアログが表示されています。

TT 注文タイプ パラメータ

: をクリックして利用可能なテンプレート を表示し、フライアウトですべてのパラメータを表示します。

TT 注文タイプ注文の発注

TT 注文タイプ注文を発注するには

  1. [MD Trader®] または [Order Ticket] ウィジェットにて、発注する限月を選択します。
  2. 注文に希望の枚数と価格を入力します。
  3. 注文タイプ ドロップダウンから希望の TT 注文タイプを選択します。
  4. 希望の子注文パラメータを入力します。
  5. 希望の親注文パラメータを指定します。
  6. [OK] をクリックしてパラメータ ダイアログを閉じます。
  7. TT 注文タイプ親注文により送信された取引所固有の子注文の有効期限を指定します。

    : 取引所がサポートしていない子注文に TIF (有効期限) を指定すると、最初の子注文が発注される際ではなく、即座に親注文は拒否されます。
  8. [Buy] (買) または [Sell] (売) をクリックして注文を送信します。

    親注文がウィジェットに追加されます。

保留や停止された TT 注文タイプの注文

TT 注文タイプ注文を発注する際、以下の内容を実行できます。

  • 保留注文として注文を発注し、今後に再発注します。
  • 市場で約定待ちを始めた後 TT 注文タイプを一時停止または再開します。

TT 注文タイプは、[Order Ticket] (注文チケット) や MD Trader を使って保留注文として発注して、[Order Book] (注文一覧) ウィジェットを使って今後に再発注できます。取引所で約定待ちしている間、TT 注文タイプの親注文は [Order Book] (注文一覧) や [Algo Dashboard] (アルゴ ダッシュボード) ウィジェットを使って停止して再開できます。

保留や停止された TT 注文タイプの注文への変更

[Order Book] (注文一覧) は、停止されている TT 注文タイプに変更が加えられると、「Change」(変更) の代わりに、 [Cancel/Replace] (変更/差替) を使用します。これは、停止された親注文のすべての値が適切に新規注文に適用されるようにするためで、停止済み注文が取消された後、注文は「保留」として発注されます。

保留済み TT 注文タイプは、再発注前に変更できます。保留 TT 注文タイプを変更または再発注する際、以下の内容を考慮してください。

  • TT ブラケットと TT OCO: 枚数への変更は可能で、注文は元の価格で再開されます。
  • TT アイスバーグ: 枚数に変更を追加できます。
  • TT イフタッチ: 枚数や価格に変更を追加できます。
  • TT ストップ: 枚数や価格に変更を追加できます。

: すべての他の保留または停止中の TT 注文タイプ注文には変更を追加できません。