テキサスに本社を置く大手エネルギー商品取引会社が、軽質スイート原油のロング エクスポージャーを先物限月でヘッジしようと考えています。このケース スタディの例では、原油の市場がクローズの状態にあります。要件は、次の清算時に、CME WTI 先物を売り、清算値に近いかまたは清算値で執行することです。清算価格での執行を確実にするために、WTI の清算を待ち、その時点で売注文を手動で執行するのではなく、CME WTI TAS 限月を 0 に近い価格で売りたいと考えています。
複数の取引所が提供する TAS (Trading at Settlement) 銘柄では、ユーザーは取引セッション中、いつでも清算価格に対してスプレッドで執行することができます。清算価格より何ティック上か下に発注するかを指定できます。
CME 原油 TAS (商品コード: CLT)は先入れ先出し (FIFO) 市場であるため、市場が注文を受け付けることのできる可能な限り早い時間に発注することが重要です。CLT の場合、これはプレオープン状態にあります。この注文を執行するトレーダーは、実行可能なオプションを探します。
TT プラットフォームでは、 TT Timed (時限) 合成アルゴ注文タイプを利用できます。市場が注文の受付状態にあるときに、ネイティブ注文を発注できる任意の市場の状態中に、このアルゴ注文タイプを発注することができます。上記のシナリオでは、原油市場はクローズ状態なので、ユーザーはプレオープンの開始時に、ネイティブ注文を発注するための開始時間を設定できます。これは、[Precondition] 詳細セクションの [Start] (開始) ドロップダウンで設定します。
TT Price Server が CME 取引所から、CLT 限月 (この例では CLT Oct23) の最初のプレオープンの市場状態の確認を受信すると、TT Timed (時限) アルゴは直ちに子注文を発注します。
別のオプションとして、TT 再試行 合成注文タイプを使用する方法があります。TT 再試行注文は、取引所に受理されるまで、または特定の回数分拒否されるまで、繰り返し発注される合成注文を示します。
ユーザーは、CLT 市場が 17:00 (米国中央時間) に開始される1秒前に開始時間を設定し、注文が10回受け入れられるか拒否されるまで、200 ミリ秒ごとに新しい注文を発注し続けることができます。
TT では、ユーザーは Algo Design Lab (ADL) を利用して、カスタム ロジックを作成することもできます。この場合、Order Ticket Algo (OTA) (注文チケット アルゴ) を開発して、TT Timed (TT 時限) 合成アルゴと同様に、プレオープンで子注文を発注することができます。ADL アルゴ内で、TT 時限または TT 再試行合成アルゴにはない、追加の条件付きロジックを作成できます。
ユーザーはその他のロジック条件に加えて、Market State ブロック を利用して、子注文の配置を行うことができます。再試行ロジックの実装の一部として、Generator ブロックの時間間隔の機能を使用することもできます。