Autospreader

貴金属および為替でのベーシス取引

貴金属および為替でのベーシス取引

以下の活用例では、現物(スポット)と先物の価格差を捉える取引戦略を、Autospreaderを使ってどのように構築できるかを紹介します。

ベーシス取引

ベーシスとは、ある商品を特定の期間にわたって保有することで得られる収益を示す考え方で、スポットと先物の価格差として表すことができます。ベーシス取引では、スポットを売買すると同時に、その商品の先物を反対売買します。ベーシスの拡大が見込める場合は、スポットのロングポジションを、逆に縮小すると予想する場合はショートポジションを取ります。

TTは貴金属および為替のスポットにも対応しており、TTプラットフォームが提供する各種ツールを活用して、ベーシス取引戦略を実現できます。例えば、Autospreaderで合成スプレッド作成し、ベーシスをスプレッド価格として可視化することができます。さらにそのスプレッドを売買することで、スポットと先物の取引を同時に、コロケーション環境に配置されたサーバー上で低遅延に執行することが可能です。

銀ベーシス取引の設定

以下は、Autospreaderで銀ベーシス取引を行う場合の設定例です。レッグ1にはスポット銀(XAG/USD)、レッグ2には銀先物(SI Jun24)を使用します。両者はいずれもUSD/オンス建てのため、各レッグのMultiplier(乗数)は同じ(1.0)としますが、正負の符号は逆になります。したがって、取引価格となるスプレッドの計算式は「1 * Leg1.MergedPrice - 1 * Leg2.MergedPrice」となり、USD/オンス建てのスポット銀価格から先物価格を差し引いたものであることを表します。

スポット側のレッグのRatio(割合)は先物の取引単位が5,000オンスであるため5,000とします。この設定で、先物を1枚売買するごとに、スポット5,000オンスを反対売買することになります。

画面右側のMD Traderでは、設定に基づいたプレビューが確認できます。MD Trader下部の表示は、このスプレッド板のティックサイズが1/1000であることを示しています。これはスポットのティックサイズが1/1000、先物が5/1000であるためです。

Active Quotingは、スポット側のレッグでのみ有効化されています。貴金属や為替のリクイディティ・プロバイダー(LP)は、市場に流動性を追加するフローを好むため、このActive Quotingの有効化が強く推奨されます。またこのスプレッドはレッグ1の取引に最も近いデータセンター、本例ではニューヨークのAutospreaderサーバーで執行されます。

スポット側レッグのクォート注文が約定すると、Autospreaderは、指定されたスプレッドを実現するために、先物に対してヘッジ注文を発注します。透明性確保のため、Autospreaderのクォートやヘッジに関するレイテンシーはAudit Trailウィジェットに表示されます。

上記で設定したAutospreaderをMD Traderで起動すると、合成スプレッドの板(左)が各レッグと共に表示されます。

ユーロ/ドル(EUR/USD)ベーシス取引の設定

もうひとつの活用例は、ユーロ/ドルのベーシス取引を行う場合の設定です。レッグ1にはユーロ/ドル(EUR/USD)、レッグ2にはユーロ/米ドル先物(6E May24)を使用します。

スポット・先物はいずれもUSD/EUR建てですが、スポット側のレッグのRatio(割合)は、先物の取引単位が125,000ユーロであるため、125,000とします。この設定で、先物を1枚売買するごとに、スポット125,000ユーロを反対売買することになります。

設定画面右側のMD Traderでは、設定に基づいたプレビューが表示されます。表示されているティックサイズは1/100000で、これはスポットのティックサイズが1/10000、先物のティックサイズが5/10000であるためです。

先ほどと同様に、FXのリクイディティ・プロバイダー(LP)がより良い流動性フローを提供できるよう、 スポット側のレッグでActive Quotingを有効化します。この合成スプレッドは、レッグ1に設定された商品に最も近いTTデータセンターのAutospreaderサーバー、本例ではニューヨークで執行されます。

上記で設定したAutospreaderをMD Traderで起動すると、合成スプレッドの板(左)が各レッグと共に表示されます。