リスク管理

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銘柄間の証拠金

銘柄間スプレッドで大規模なポジションを執行して保持するユーザーのために、TT では証拠金の計算をサポートしています。

銘柄でポジションを保持するのに必要な完全証拠金に加え、銘柄間スプレッドの証拠金要件は、各アウトライト銘柄でポジションをオフセットする比率と、スプレッド限月として銘柄を取引するための合計アウトライト証拠金の割引として考慮します。比率と割引は、両方の銘柄の完全証拠金要件をもつ制限ユーザーのためではなく、銘柄間限月の妥当な証拠金を決定するのに使用されます。

会社の管理者として、左ナビゲーション画面の [Company Settings] - [Product Margin] タブを使って 銘柄間証拠金限度を設定できます。銘柄証拠金画面にて、取引所を選択して [Inter-product Margin] タブをクリックすると、比率と証拠金割引を使って銘柄ペア間の関係を決定できます。

銘柄間証拠金の計算例

以下の例では、1つ以上の銘柄間比率が定義されている場合の、銘柄間スプレッドの計算を示しています。これらの例では、取引所により定義された一般的な関係が表示されていますが、Setup では各自の比率と割引を適用できるという柔軟性を提供しています。

: 例は、約定待ち注文ではなく、ポジションの証拠金割引を参照しています。取引所上場の銘柄間スプレッドの約定待ち注文で同じ割引を適用させるには、上場スプレッドのレッグとレシオをマッチさせる必要があります。こうすると、[Listed Inter-product Spread] 列にチェックマークが適用されるのが分かります。マッチが行われると、ルールに指定された同じ割引が一覧されているスプレッド自体で約定待ち注文に適用されます。非標準レシオをもつ約定待ちスプレッドや約定待ちアウトライト注文に割引は適用されません。

銘柄間スプレッドに非標準レシオをセットアップすると、トレーダーは、注文が約定するまで証拠金割引はまったく受けられません。アウトライト レッグやスプレッドのいずれから発生したものでも、約定注文には、銘柄間割引が適用されます。

例: 1つの銘柄間証拠金比率

ASX の YT-XT 銘柄間スプレッドを使って、以下の内容を考慮してください。

アウトライト証拠金:

  • YT: 620
  • XT: 2472

この例では、1つの銘柄間証拠金比率のみが設定されています。YT/XT、3:1、70% の割引:

ユーザーは以下の ポジションをもっていて、約定待ち注文はありません。

  • YT: -2000
  • XT: +600

TT は以下のように銘柄間証拠金を計算します。

  1. 各レッグの完全アウトライト証拠金は最初「アウトライト マージン」 × 「ポジション」として計算されます。
    • YT: 2000×620 = 1,240,000
    • XT: 600×2472 = 1,483,200
    • 合計アウトライト証拠金: 2,723,200
  2. 適用された 3:1 比率は合計ポジションから引き算され、割引が出来るだけ多くのレッグに適用されます。
    • 3:1 = 1800 YT : 600 XT
    • YT ポジションは 「-2000」 なので、3:1 の比率に一致するのに 「1800」 利用できます (600×3 : 600×1)。

    • (レシオ A × アウトライト証拠金) + (レシオ B × アウトライト証拠金)×割引 % = (600×2472 + 1800×620)×0.70 = 1,819,440
    • 2,723,2000 - 1,819,440 = 903,760 合計証拠金

例: 複数の銘柄間証拠金比率

例として ASX の YT-XT と YT-IR の銘柄間取引所スプレッドを使って、以下の内容を考慮してください。

アウトライト証拠金:

  • YT: 620
  • XT: 2472
  • IR: 299

この例では、2つの銘柄間証拠金比率が設定されています。

  • YT/XT、3:1、70% の割引:
  • YT/IR、1:1、50% の割引

ユーザーは以下の ポジションをもっていて、約定待ち注文はありません。

  • YT: -4000
  • XT: +800
  • IR: +1000

TT は以下のように銘柄間証拠金を計算します。

  1. 各レッグの完全アウトライト証拠金は最初「アウトライト マージン」 × 「ポジション」として計算されます。
    • YT: 4000×620 = 2,480,000
    • XT: 800×2472 = 1,977,600
    • IR: 1000×299 = 299,000
    • 合計アウトライト証拠金: 4,756,600
  2. 上部に一覧されている銘柄間比率 (YT:XT) のレッグの最大数における割引が最初に計算されます:
    • 3:1 = 2400 YT : 800 XT

      YT ポジションは 「-4000」 なので、3:1 の比率に一致するのに 「2400」 利用できます (800×3 : 800×1)。

    • (レシオ A × アウトライト証拠金) + (レシオ B × アウトライト証拠金)×割引 % = (800×2472 + 2400×620)×0.70 = 2,425,920
  3. そして次の銘柄間比率 (YT:XT) の残りのレッグの最大数における割引が計算されます:
    • 1000 YT : 1000 IR
    • (レシオ A × アウトライト証拠金) + (レシオ B × アウトライト証拠金)×割引 % = (1000×620 + 1000×299)×0.50 = 459,500
    • 割引するポジションはまったく残っていなく、割引証拠金は合計アウトライト証拠金から引き算されます。

      4,756,600 - 2,425,920 - 459,500 = 1,871,180 合計証拠金