MIFID II アルゴリズム取引
MIFID II アルゴリズム取引
概要
トレーディング テクノロジーズは、TT の中で数々の自動取引ツールを提供しています。自動取引ツールの中には、お客様のニーズにあった、ストラテージーの動作を調整または変更できるように、様々な入力やパラメータ、バリエーションが用意されています。目標は、登録が必要なツールのリストを簡素化することです。つまり、各「アルゴ」のテストが、広範囲な機能を完全に網羅できることを意味しています。以下に、トレーディング テクノロジーズが提供する自動取引ツールのリストを示します。
- ADL:ユーザーは、ドラッグ&ドロップで構成される、TT のビジュアル プログラミング言語である ADL を使用して、独自のカスタム アルゴを開発することができます。管理者が許可した場合、ユーザーは執行のためカスタム アルゴをアルゴ サーバーに展開できます。
- Aggregator:Aggregator は、2つ以上の限月の市場を組み合わせた合成限月を作成できる機能を提供しています。ユーザーは、自分で設定した様々なパラメータやルールに基づいて、1つまたはそれ以上の取引所上場銘柄に注文を送信する集約限月を取引できます。
- Autospreader:Autospreader は、2つ以上の下月間のスプレッドのレギングを自動化します。ユーザーは合成スプレッドを定義し、Autospreader は他のレッグで市場に基づいて、1つまたは複数のスプレッドのレッグでクォートを提示します)。取引値が満たされると、Autospreader は希望の価格でスプレッドにレッグを入れようとヘッジ注文を送信します。
- Autotrader:Autotrader は、Excel から連結されたパラメータや数式、値に基づいて、自動的に限月の注文を行い、アルゴの実行中に蓄積されたポジションをオプションで管理するマーケット メーキング アルゴです。
- Liquidate:Liquidate は TT の機能であり、ユーザーは1回の操作で、限月の既存の注文をすべて取消し、同じ限月のオフセット注文を送信して、その限月のオープン ポジションをフラットにすることができます。
- Auto-liquidate:自動手仕舞いは、リスク管理者が口座に適用できる設定です。口座に適用され、その日のクレジット損益が1日の許容クレジット損益の指定パーセント数を超えた場合、自動手仕舞いは口座のすべての約定待ち注文を取消し、注文を送信して、すべてのオープン ポジションをフラットにしようとします。
- Sniper:スナイパー アルゴは、指定の価格で希望する枚数が利用可能になるまで、売買の意思を隠すことができます。
- Synthetic Order Types:TT は、ユーザーが設定して、コロケーション サーバーで管理されている、いくつかの合成注文タイプを提供しています。ユーザーは限月の注文枚数を指定し、親合成注文のパラメータを設定します。パラメータ値は、親注文の合計枚数を約定するために、いつ、どのように子注文を市場に発注するかをサーバーに指示します。
- Position Transfer:ポジション トランスファーでは、取引グループや会社内のトレーダーが互いに取引することを防止できます。これは、ポジションポジション トランスファーの結果、一方の注文が部分的にのみ約定している場合に、注文がクロスする可能性のある両方の注文を取消して、お互いの注文がマッチしたかのように、合成約定を作成して新規の注文を発注することで、防止を行います。
- TT Premium Order Types:TT プレミアム注文タイプは、合成注文を使って、市場で他の注文の発注と執行を管理します。TT は、ユーザーが設定して、コロケーション サーバーで管理されている、いくつかのプレミアム注文タイプを提供しています。ユーザーは限月の注文枚数を指定し、親合成注文のパラメータを設定します。パラメータ値は、親注文の合計枚数を約定するために、いつ、どのように子注文を市場に発注するかをサーバーに指示します。
アルゴ監視カウンセル (AOC)
トレーディング テクノロジーズは、アルゴリズム取引ツールや執行プラットフォームでの MiFID II コンプライアンスに対応するための取り組みを改善、監視、伝達するために、Algo Oversight Counsel (AOC) を作りました。AOC は、製品開発、エンジニアリング、品質保証、製品ドキュメンテーションの各分野のリーダーで構成されていて、以下の運用と改良についてアドバイスしています。
- ソフトウェア開発ライフサイクルにおけるトレーディング テクノロジーズのプロセスやツールセットにより、新規に開発されたアルゴリズム取引ツールや既存のツールの機能強化の両方が、MiFID II コンプライアンスに対応していることを保証するものです。
- 管理者と指定のユーザーが TT 内のアルゴリズム取引活動を監視し、問題のあるアルゴの動作を特定して解決するためのツール。
ソフトウェア開発のライフサイクルと運用
トレーディングテクノロジーは、正式なソフトウェア開発やテスト、デプロイメントの手順を踏んでいます。製品開発チームは、製品マネージャー、プロジェクト マネージャー、ソフトウェア エンジニアで構成されています。トレーディング テクノロジーズのソフトウェア エンジニアリング グループには、ソフトウェア品質エンジニアリング (SQE) チームがあり、TT の全ソフトウェアのテストに専念しています。
MiFID II で設定された要件により、新しいアルゴリズム取引ツールの開発や、既存の取引ツールの強化と修復、さらにその作動の監視において、トレーディング テクノロジーズのソフトウェア開発のライフサイクルの実行に影響が与えられます。特に、トレーディング・テクノロジーズの開発プロセスでは、MiFID II の要件に準じた記録の管理、承認、監視が含まれていて、開発中に、提案の新機能や拡張機能はすべて厳格なテスト プロセスにかけられ、展開後は開発の操作を監視しています。
記録の管理、承認、監視
トレーディング・テクノロジーズは、アルゴリズム取引ツールへの変更内容の記録について、つまり変更の内容、誰が変更を承認したか、いつ誰が変更を行ったかを含む記録を管理しています。これらの変更を管理するため、トレーディング・テクノロジーズは以下の内容を実行しています。
- 課題管理システムを使用して、要件や設計、テストを文書化し、ソフトウェアへの変更を追跡しています。課題はソース コードに直接リンクされ、要件と変更の間で追跡可能にしています。
- 変更管理システムを使用し、顧客向けの環境に対する通常変更や緊急変更のすべての変更承認プロセスを促進しています。
- テスト リポジトリを保持し、自動テスト群と手動テスト群の過去のテスト結果を保持しています。これらの結果は、最小1年間、多くの場合それ以上保存されます。
アルゴ開発テスト
アルゴ監視カウンセル (Algo Oversight Council、AOC) は、 新しいアルゴの開発と既存のアルゴへの変更に対して特に承認を行います。また AOC は、テストの手法を監督し、すべてのアルゴのテスト計画をレビューします。TT に関しては、トレーディング・テクノロジーズは、お客様の典型的な導入を想定したテスト環境と、TT を想定したテスト環境を別々に維持しています。
Ttのソフトウェア品質エンジニアリング (SQE) グループは、手動テストや自動テストを行い、すべてのアルゴに対して標準的な回帰テストを実施しています。回帰テストは、注文のライフサイクルの様々な段階における注文の発注や変更、削除のすべての組み合わせに対応しています。特定のテストには以下の内容が含まれます。
- 取消
- 取消/差替
- 変更
- 枚数の増加と減少
- 価格の増加と減少
- 注文の完全削除
- 部分約定後や変更後に削除
該当するテストは、親注文を直接対象とし、次に子注文を直接対象として、別々に実行されます。TT は、これらの実例において、注文と価格の詳細、約定、損益、ポジション データの正確性を検証します。
お客様は、ユーザーのアクセスを許可する前に、デモ取引環境で新しいアルゴのリリースをテストすることができます。会社の管理者は、どのユーザーがどのアルゴにアクセスできるかを細かく制御できます。
アルゴリズム取引ツールの重要な変更に関するお客様への通知
トレーディング・テクノロジーは、提供するアルゴリズム取引ツールに重要な変更がある場合、以下のようにお客様に通知を行っています。
- 事後容量テストと TT の承認後、お客様の投資会社の各アルゴリズム コンプライアンス オフィサー (ACO) に、保留中のリリースの通知が送信されます。
- ACO には、容量と回復力のための TT テストの確認と (該当時)、各自の MiFID II コンプライアンスをテストして要件に応じるための、分離された非実動ライブ環境の両方が提供されます。
- カスタマー サクセス アカウント マネージャーは、ACO と直接連絡を取り、電子メールや弊社ウェブサイト、トレーニング動画、GUI でのアプリケーションの通知で利用可能な、アドホック回覧や製品ドキュメンテーションのリリースを含む更新の通知を行います。
- TT のお客様に影響が及ぶ問題が発生した場合、TT は電子メールによるアドバイザリーを送信し、問題やその後の問題の更新について通知を行います。