注文のクロス防止

注文のクロス防止

注文のクロス防止の概要

TT プラットフォームの注文クロス防止には、会社のトレーダーが自分自身でや同じ口座で取引する他のトレーダーと、不注意または意図的に取引することを防止する複数の方法が含まれています。

Avoid Orders That Cross (AOTC) 機能

TT の Setup アプリケーションでは、リスク管理者が 「Avoid Orders That Cross (AOTC)」 機能を有効にし、取引所での注文のクロスを防止するために、口座ごとに異なる AOTC ルールを選択できるようになっています。

TT セルフマッチ防止機能

TT の ID 別セルフマッチ防止 (TT SMP) により、リスク管理者は、会社レベルで清算口座間の潜在的な注文のクロスを照合し、防止するための一意の ID 値を設定できます。ユーザーは、[Order Defaults] (注文設定) を設定し、TT SMP をユーザーや親口座、子/副口座、[Order Profiles] (注文プロファイル) に適用できます。これは、口座レベルでのみ適用できる 「Avoid Orders That Cross」 (AOTC) 機能とは異なります。

すべての注文のクロス防止方法は、同一の限月 ID を持つ注文のみの比較することができます。例えば、9 月のアウトライト約定と 9 月~12 月のカレンダー スプレッドはマッチできません。

注文のクロス防止ルール

口座レベルでは、口座内と社内の口座間でクロスする注文の既定の動作を設定できます。

注文クロス防止は、親口座に設定され、親口座に関連する副口座 (子口座) にも継承されます。親口座を他の会社と共有している場合、共有する会社は、共有される側の会社の子口座に設定される注文クロス防止のルールを決定できます。

口座作成時に、取引所での注文のクロスを防止するのに、口座ごとに以下の注文クロス防止ルールを選択できます。

  • Not Applied: 注文のクロス防止ルールがまったく口座に適用されていないことを示しています。
  • Reject New: 同じ口座または口座ツリーで既存注文を約定させる可能性のある新規注文を拒否します。指値注文とネイティブ アイスバーグ注文にのみ適用されます。
  • Cancel Resting (wait for ACK): 既存注文の取消要求を取引所に送信します。取引所が要求を確認して注文を取り消した際に、新規注文を送信します。指値注文とネイティブ アイスバーグ注文にのみ適用されます。
  • Position Transfer: クロス注文の注文枚数に基づいて、注文を取り消すべきか、差し替えるべきかを決定します。注文が、同じ口座「ツリー」の既存注文注文を約定させる可能性がある場合で、口座または副口座に [Position Transfer] (ポジション トランスファー) が有効化されている場合、[Position Transfer] は、既存注文の枚数を減少させ、既存注文の指値で、2つの注文が取引所で約定したと仮定して、口座にて各注文に各2つの合成約定を作成します。ポジション トランスファーの機能に関する詳細は、ポジション トランスファーを参照してください。

  • Position Transfer (既存注文が最良買/売の場合): クロス注文の枚数と、同じ口座「ツリー」を使って発注された既存注文の価格に基づいて、注文を取り消すべきか差し替えるべきかを判断します。このルールは、注文が現在の最良買/売値で既存注文を約定させる可能性がある場合のみ、内部マッチングが発生するという点を除いて、[Position Transfer] と同様に機能します。

    : このルールを使用する場合、アグレッシブ注文の送信途中に、既存の注文が取引所でマッチして約定される可能性があります。

  • Use Reject New instead of Position Transfer within the same account (同じ口座でポジション トランスファーの代わりに新規の拒否を使用): 有効化されていると、この設定により同じ口座でポジション トランスファーを使用できないようになり、クロス注文の防止に「Reject New」を使用できます。この設定は、口座に「ポジション トランスファー」が選択されていると有効で、それ以外の場合は灰色表示になります。
  • Go to market with Position Transfer balances w/o waiting for Cancel/Reducing ACK (ACK の取消/置換を待機せずにポジション トランスファーの残高で成行に変更): 有効化されていると、アグレッシブ注文枚数が既存の注文枚数よりも大きい場合、ポジション トランスファーは以下の動作を実行します。

    • 既存の注文の金額でアグレッシブ注文枚数を軽減します。
    • 既存の注文の取り消しや減少を確認しなくても、既存の枚数の注文の後、取引所に要求を送信して既存の注文を取り消すことができます。

    例えば、2枚の売注文は、マッチする10枚の買注文が発注されると、ポジション トランスファーは、8枚の買注文の後、即時に売注文に対して取り消し要求を取引所に送信します。ポジション トランスファーは、取引所から、2枚の売注文が正常に取り消されたことの確認を待機します。確認を受信した後、2枚の約定が内部で作成され、各トレーダーの口座にトランスファーされます。

    このオプションを使って、注文のトランスファー要求を待機している間でも、注文の一部をマーケットに発注できます。ポジション トランスファーの完了を待機している間に、全部のアグレッシブ注文が拒否されるリスクを軽減することもできます。

    : このオプションを使うと、2りのトレーダーが2つの異なった注文送信サーバーで異なった取引所接続を使用している場合、クロス注文が取引所でマッチする可能性のあるリスクがあります。

ポジション トランスファー ルール

ポジション トランスファーのルールにより、セルフ マッチングを防止して、罰金を回避し、潜在的なクロスによる拒否注文を排除することができます。詳細は、ポジション トランスファー を参照してください。